今月もラジオを聞いてくださってみなさん、ありがとうございました☆
今日のテーマは「色と長生き」でした。
色彩心理の中では、著名な画家には長寿の方が多いと言われています。
絵を描き、色に触れることがストレスの解消に繋がり、長生きするのではないか?と考えられています。
画家さんの中には感情の苦しみなどを絵に表現し、作品を残している方が多くいます。
苦しみを絵に昇華すること、感情が刺激されることで、脳が活性化されることが長寿に繋がるようです。
先月、大阪の中の島美術館でクロード・モネの展示が行われていたので、行ってきました。
モネも86歳までと、長生きでした。
モネは印象派といって、目に見える美しい現実をそのまま切り取って描いた作品を作っていました。当時主流だったのは、宗教画や神話の絵や人物画だったので、自然な風景の絵というのは画期的なものであったようです。
モネの作品では「印象 日の出」といって、柔らかな太陽の光と、その光が水面に映った輝きを描いた作品や庭の「睡蓮」を描いた作品が有名です。
モネの作品は、水の描写がとても美しく、水面に映し出される一瞬の光を捉え、一枚の絵の中におさめています。
普段私たちが見ている光は、様々な色で合成されています。この原理を絵画に応用して、色々な色を隣同士に置き、離れてみた時にその色が脳の中で合成されて混ざり合って見えるような技法を用いました。例えば木の幹でも、赤、青、黄緑さまざまな色で描かれているのですが、離れてみると茶色に見えるというもの。それが表現の深みとなって、自然の美しさを感じます。
また、ひとつの対象を異なった時間帯や季節で追い「連作」として作品を残しています。
移ろいゆく一瞬の自然の美しさを追い、描くこと・・・描く題材を探して歩き回ることも、画家の長寿にとって、肉体的な健康に寄与しているのではないかとも考えられているそうです。
絵の中には画家の心情が強く描かれています。
小樽のニトリ美術館にも展示されている「ユトリロ」という画家の作品があります。
ユトリロの作品には、「白の時代」「色彩の時代」があり、
心境の変化によるタッチの違いが現わされています。
生活環境や生い立ちに問題があり、精神を患っていたそうなのですが、この苦しみを昇華するために絵を描いていたそうです。この苦しい時代が、「白の時代」と呼ばれ、村の教会や街の建物の白い壁を、もの悲しく描きました。色にはプラスのキーワードとネガティブなキーワードがあります。白には、希望や純粋無垢といったプラスのキーワードがありますが、ネガティブなキーワードには「心の空白、無力感」というものがあります。
その後療養を経て、明るい作品である「色彩の時代」へと変化します。
ただ、皮肉にも評価が高かったのは、苦しかった時の、白の時代の作品だそうです。苦しみの中生み出された作品が、なにか人の心に深く響くということもあるようです。
ユトリロは生涯を通じてアルコール依存症ではあったのですが、当時にしては長生きで、70歳と、長寿をまっとうしました。
色には脳をリラックスさせたり、活動的にしたり、感情に影響を与えたり、心拍の変化など肉体にも影響を与えます。色に触れていると脳が元気になり、それが若さの秘訣へと繋がります。
塗り絵をしたり、画家さんのように絵を描いてみたり、
うちのサロンではカラーセラピーを取り入れていますので、そういったものを受けてみたりしながら、色を通して脳に刺激を与えてあげると、健康で長生きできるかもしれません。