今月もラジオを聞いてくださってみなさん、ありがとうございました☆
今日のテーマは「春におすすめ~黄緑」でした。
松尾芭蕉が日光東照宮を訪れた際に詠んだ有名な一句があります。
「あらたふと(あらとうと)青葉若葉の日の光」
現代語訳は「あぁなんて尊いのでしょう。日光の霊山の木々の青葉や若葉に降り注ぐ光は」です。
青葉若葉は夏の季語。
若葉色の「若」は、新鮮なことを表す形容です。色においては、明るいという意味を持ちます。
夏前の草木の若葉を思わせる柔らかくて明るい黄緑色。淡い黄緑で、上品な優しさを感じさせる色です。
若葉の黄緑色に特別な感情を抱くのは、北半球に住む人たち特有の感覚だそうです。
寒い冬が終わり、必ず巡ってくる美しい緑。
どんなに寒く枯れた冬でも終わりが訪れること、そして巡る春の希望があること。
それは毎年毎年繰り返すことで、心と身体に刻まれていきます。
英語の色名にも、「スプリンググリーン」という色があります。(若葉色のような色です。)
そして特に、雪国の人にとっては、より緑色は特別に感じるように思います。
もしかしますと、雪の降らない地域の方たちにとっては、桜のピンク色が毎年巡る春を知らせる色かもしれないですね。色には世界共通のイメージがありますが、地域によっての色に対する潜在下のイメージや思いの違いもあります。
どんな時をどの場所で過ごしてきたか、大切な時、日々の何気ないひとときに、何色が寄り添ってくれていたか、思い返してみると、心の軌跡が見えてくるかもしれないですね。
もうひとつ日本に古くからある色名で、「萌黄色・萌木色(もえぎ)」という色があります。
若葉色よりももう少し黄色みが強い黄緑色。
こちらは若葉色よりももう少し若い春の色。
若者の象徴でもあり、平家物語に登場する若武者も、萌黄色の鎧を身に着けているそうです。
萌木は若葉が出始めた木。
萌木のように伸びていくパワーが強く、エネルギーが溢れ、生命力の高い色です。
新年度からの環境の変化、寒い冬が終わりあたたかくなっていく春の季節。
この季節に欠かせない色ですね。
もちろん、自然の中から取り入れることが一番です。外に出て、ふきのとうや球根から芽が出て大きくなっていくチューリップなど、観察しながら歩いてみましょう。
黄緑の食べ物・・・タラの芽、春キャベツ、ふき、菜の花など。春には黄緑の食べ物もたくさんです。
体の中に取り入れると、生命力が高まります。
黄緑色は、緑と黄色が混ざった色なので、その両方の性質を持ちます。
緑は安定とバランスや調和を。
黄色は好奇心、上昇志向。
その中間なので、緑よりも活発に。黄色よりも創造的で優しくて、冷静さがある感じ。
黄緑色が好きな人は、「観察力が高く、知的で、観察することで様々なものを吸収し活かす。」性格です。
好奇心を持ちながらも、少し冷静に周りを観察しながら、周囲の様子から、
「あの先生はふざけている生徒によく怒っているから、きっと冗談が通じない。あの人の前では少しまじめにしていよう。」
「この人はいつもにこにこしていて穏やかで、心が安定しているようだ。この人の前では少しふざけても大丈夫そうだ。」など。
観察力を高める色は、賢く立ち回るのにも、有益な色です。
まだ新年度も始まったばかりで、周りの様子を見ながら学校や職場、習い事などで過ごされる方も多いと思います。
黄緑を取り入れて、生命力をチャージしながら、賢い立ち居振る舞いを身に着けて、スムーズに人間関係も乗り越えていきましょう。