「かいと~?まさと~?ちょっとおつかい行ってきてくれない?」
「いいよ~」
かいととまさとはお母さんのお願いをすぐ聞いてあげた。
だって、かいととまさとはおつかいが大好きなんだから。
かいとは10才で、ゲーム好きな性格だ。
まさとは6才で、好奇心旺盛な性格だ。
かいとがおつかいが好きなのは、かわいい弟と一緒に街を歩けるからだ。
好奇心旺盛なため、道にある点字ブロックにも興味を示す。
だから二人とも、おつかいが好きなのである。
・ ・ ・
かいとは、
(今日は楽しい一日になるな~)
と思いながら、玄関を出て、スーパーへ向かった。
まさとは扉を開けると、自転車に興味を向けた。
「お兄ちゃんこれなに~?」
「それはじてんしゃっていうんだよ。2つのしゃりんではしるんだ」
「すっご~いかっこいい!!」 こうやってなんにでも興味を示して、物をみているまさとの後ろ姿がすごくかわいらしいのだ。
・ ・ ・
かいとの思い通り、今日は楽しい一日になる、はずだった。
・ ・ ・
スーパーへの道を歩いていると、まさとはインターホンに興味を示した。
かいとは先に横断歩道を渡ってしまった。
「まさと~~~。おうだんほどうさきにわたっちゃったから、かいとがいいよっていったら、かいとのほうにきてね~~。」
かいとがそういうと、まさとは元気よく、
「は~~~い。わかったよ~。」
といった。これは毎回あることでもう慣れている。
しかし今日は道に落ちていた医師に興味を持ってしまった。
車は走っているのに、横断歩道に落ちている石を取りにいった。
「まさとだめだ!!くるまがいるから、ほどうにもどって。」
かいとはそういった。
しかし、まさとはきかないで、石の方へ向かった。
そして石を取ろうとしたその瞬間、まさとはトラックにはねられて死んだ。
・ ・ ・ ・ ・ ・
かいとは悔しかった。
まさとを止められなかったことを後悔した。
そして、あのまさとが興味を持っていた石を憎んだ。
「あの石がなければ、あの石がなければ・・・」
かいとは泣きながらそう言って、石の方へ向かった。
そして、石を手に取り、地面にたたきつけた。
その瞬間・・・
・ ・ ・
「お兄ちゃん?お兄ちゃ~ん。」
どこからかまさとの声が、聞こえる。
まさとは死んだはずなのに、目を開けるとまさとがいた。
「お兄ちゃん、これなに?」
まさとは、自転車を指して聞いてきた。
あれ、この風景、玄関を出た時話してたことだ。
・ ・ ・
かいとは慌てて、「こ、こ、れは自転車だよ。」と言い、
まさとは「へぇ~、すごいねぇ~」と言った。
・ ・ ・
この前玄関を出た時の会話とは、少し変わっていた。
もしかしたら、まさとが車にひかれないようにできるかもしれない!
かいとはまさとを守るために左右後ろ前、四方八方見張った。
周りに車は来ないか、そして、あの横断歩道に着いた。
だけどなんか違う。カイトが先に横断歩道を渡ってなかった。
これでもう安心だ。
横断歩道には石はない。
完璧。
かいとは安心そうにしていると、まさとが道路へ出て行った。
「お兄ちゃん、これなに?」
・ ・ ・
まさとは白線を指さして、聞いてきた。
かいとは、「まさと!!だめだ、はやくかいとの方にもとっておいで!!」
と言った。
だけどもう遅かった。
かいとは道路に倒れ込むと、ポケットからあの‘‘石‘‘が出てきた。
・ ・ ・
さっきもこの石のおかげで時間を戻せた。
そう思って、石を地面にたたきつけた。
・ ・ ・
そして、何度も、何度も、まさとを助けるためにがんばった。
だけど、どうしても未来を変えることはできない。
かいとは考えた。
そして、ふと思った。
(まさとから交通事故などのことに注意してもらえばいいんだ)と。
そして、「まさと、今日は‘‘あんぜん‘‘に気を付けて、かいとについてきてね!!」
そういって、かいとは普通にスーパーへと向かった。
すると、何事もなく、楽しいおつかいをすることができた。
ぼくは、まさとから何か、学んだ気がした。
2019/7/7 kai
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「一言で未来は変わる」