お気に入りの鏡が壊れました。
小さな窓枠の鏡。
その奥を覗くと何か別の世界が広がっているような気がして大好きでした。
もともと、前の家に住んでいた時、狭いアパートをどう広く見せるかっていう時に思いついたアイデアで、お気に入りの色でペンキを塗って、壁掛け用にアレンジしたものでした。
小さな窓枠の中の鏡はこの家に来てからもずっとそこにあって、つい、その小さな窓枠を覗き込むことが癖になっていて、今もまだそこにあるような気がして、ついその場に足を運んでしまうんです。
・ ・ ・
小さな小さな可愛らしい鏡の枠を取り外すと、そこにはもっと大きな絵が描けるような気がしました。
自分自身が作った枠は、こうやって突発的に事件のように、外されることがあるのかもしれません。
そして、一度外された枠はもう、ぴったりと同じそこに戻すことをしなくてもいいんですね。
魔法のような毎日は、こんな日々の気づきの中にあるような気がします。